軽自動車の所有権解除手続き方法が2025年7月1日から変わりました

一般社団法人全国軽自動車協会連合会(全軽自協)は、軽自動車の不正な名義変更を防ぐため、以前から「流通確認」を行っています。
2025年7月1日から、その確認の方法が書面からインターネットのシステム(流通確認業務サービス)に切り替わり、軽自動車の所有権解除(名義変更)の手続きが変わりました。
岩手県で自動車・バイクの手続きを専門とする行政書士が、公式の資料をもとに、何が変わったのか、現在の手続きはどう進めるのかを説明します。
- 「軽自動車所有者承諾書」は2025年6月30日に廃止されました。それより前に受け取った承諾書も、現在は使用できません
- 紙は要らなくなりましたが、所有者(販売店・ローン会社)に連絡して承諾を得ることは、これまでと変わりません
- 名義変更の申請は、これまでどおり窓口で行います。オンラインだけでは完了しません
何が変わったのか
「軽自動車所有者承諾書」が廃止に
これまで所有権解除の手続きで使われていた「軽自動車所有者承諾書」は、システム化により、2025年6月30日をもって廃止されました。
注意したいのは、廃止より前に所有者から受け取った承諾書も、現在は使用できないことです。手元に残っていても、あらためて所有者に連絡してください。
所有者との書類のやり取りが不要に
2025年7月からは、このサービスを使っている販売店やローン会社が、ローンの完済を確認すると、システム上でその車の「承諾情報」を「所有権解除」に切り替えます。全軽自協の窓口は、その承諾情報をシステムで確認できます。
車そのものの情報は、所有者が入力するわけではありません。軽自動車検査協会の検査情報から自動で取り込まれます。
これにより、所有者から承諾書を送ってもらう必要がなくなり、郵送を待つ時間もなくなりました。
ただし、名義変更の申請そのものは、これまでどおり窓口で行います。軽自動車のオンライン申請(軽自動車OSS)は、2026年9月の時点では新車の新規検査と継続検査だけが対象で、名義変更には対応していません。
なぜこの仕組みができたのか
全軽自協は、この仕組みの目的を「所有する軽自動車の意図しない名義変更を防ぎ、所有権を守るため」と説明しています。
軽自動車は、普通車と違って手続きに押印が要りません。使用者に申請の意思があれば手続きができる制度になっています。手軽な反面、次のような不正が起こりえます。
- ローンを完済する前に、所有者の承諾を得ずに名義変更されてしまう
- 盗難されたレンタカーが転売され、第三者に名義変更されてしまう
これを防ぐために、全軽自協は以前から、申請のときに所有者の意思を確かめる「流通確認」を行ってきました。その確認に使われていたのが「軽自動車所有者承諾書」という書面です。
2025年7月に新しくなったのは、この確認の方法です。書面をインターネットのシステムに置き換えたものが、流通確認業務サービスです。確認そのものは、以前から行われてきたものです。
つまり、手続きが早くなるのは結果であって、もともとの目的は不正防止です。所有者の承諾が要ることは変わりません。
利用の有無は所有者によって異なります
流通確認業務サービスは、車の所有者になっている事業者(販売店・ローン会社・リース会社など)が申し込んで利用する有料サービスで、初期費用と月額料金がかかります。
所有者がこのサービスを利用していない場合、システムには承諾情報が登録されていません。その場合は、これまでどおり所有者に直接連絡して、手続きの方法を確認してください。
2025年7月以降の手続きの流れ
ローンなどを完済
軽自動車のローンなどを完済したら、車検証に所有者として記録されている販売店やローン会社に、所有権を解除したいとお伝えください。
所有者が「承諾情報」を切り替える
このサービスを使っている販売店やローン会社は、完済を確認すると、システム上でその車の「承諾情報」を「所有権解除」に切り替えます。
全軽自協の窓口で承諾を確認してもらう
申請書類を持って、まず全軽自協の窓口へ行きます。窓口では、「所有者が所有権解除を承諾しているか」をシステムで確認します。
承諾が確認できないときは、所有者に連絡して承諾情報を切り替えてもらってから、もう一度窓口へ行くことになります。
軽自動車検査協会で名義変更
承諾が確認できたら、軽自動車検査協会で名義変更の手続きをします。正式には「自動車検査証の変更記録」といい、申請書の名前も「自動車検査証変更記録申請書」です。普通車の「移転登録」とは別の手続きです。
申請するのは、車を使う方(使用者)ご本人か、その代理人です。行政書士に代行を依頼することもできます。
手続きに必要なもの
使う方(使用者)とその住所が変わらず、所有者だけが販売店・ローン会社からご本人に変わる場合は、次のものを用意します。
- 自動車検査証(車検証)の原本
- 自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式)
・窓口でももらえます - 申請依頼書
・ご本人以外が手続きする場合に必要です - 軽自動車税申告(報告)書
・窓口でもらえます
使用者やその住所も変わる場合は、次のどちらかが別に必要です(発行から3か月以内)。
- 住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)
- 印鑑登録証明書
車を使う場所の管轄が変わり、ナンバーが変わる場合は、いまのナンバープレートも持って行きます。
費用と期限
車検証の記録事項を変える申請の手数料は無料です。ナンバープレートが変わる場合だけ、プレート代が別にかかります。住民票などの取得費用や、代行を頼む場合の料金は別です。
手続きには期限があります。車検証の記録事項に変更があったときは、その日から15日以内に手続きをすることが法律で決められています(道路運送車両法 第67条第1項)。
岩手県内で手続きする場合
岩手県内で使う車は、ナンバーが盛岡・岩手・平泉のどれであっても、申請先は軽自動車検査協会 岩手事務所です。
- 所在地 盛岡市湯沢16地割15番地10
- 受付時間 平日 8時45分〜11時45分/13時〜16時
- 休業日 土曜・日曜・祝日・12月29日〜1月3日
まとめ

承諾書が廃止されても、所有者に所有権解除を依頼し、車検証の所有者を変更する手続きは必要です。手続きの前に、車検証に記録されている販売店やローン会社へ連絡し、書類をそろえてから窓口へお持ちください。
この記事は2026年9月10日時点の公式の案内をもとに書いています。ナンバーの変更や住所変更を伴う場合は、必要な書類が増えることがあります。下の出典からご確認ください。
必要書類や岩手県内の事情をもっと詳しく知りたい方は、軽自動車の名義変更│岩手県での手続きガイドをご覧ください。
普通車の所有権解除については、【岩手・盛岡】ローン完済後の所有権解除と名義変更の手続きで説明しています。
この記事の出典
- 全国軽自動車協会連合会「軽四輪車の車検や名義変更などの手続き」(承諾書の廃止)
- 全国軽自動車協会連合会「流通確認業務サービスのご案内」(PDF・制度の中身)
- 軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」(必要書類・手数料)
- 軽自動車検査協会 岩手事務所(所在地・受付時間・管轄)
- e-Gov法令検索「道路運送車両法」(第67条)



