軽自動車の一時使用中止│岩手県での手続きガイド

軽自動車をしばらく使用しない予定があるとき、「一時使用中止」や「ナンバー返納」という言葉を目にすることがあります。これは、車検証(自動車検査証)とナンバープレートを軽自動車検査協会に返納し、「自動車検査証返納証明書」の交付を受ける手続きで、協会では「自動車検査証返納届」と呼ばれています(道路運送車両法第69条第4項)。
返納の届出を済ませると、翌年度から軽自動車税が課税されなくなります。ただし、軽自動車税は毎年4月1日(賦課期日)時点の所有者に1年分が課税されるため(地方税法第449条)、4月2日以降に届け出た場合は、その年度の1年分を納める必要があります。
この記事では、岩手県で自動車・バイクの登録手続きを専門とする行政書士が、軽自動車検査協会岩手事務所での届出の流れ、必要書類、手数料、税の申告について解説します。
この記事のポイント
- 岩手県内の届出先は、軽自動車検査協会岩手事務所(盛岡市湯沢)の1か所です
- 軽自動車税は4月1日時点の所有者に1年分が課税されます。4月2日以降に届け出た場合は、その年度の1年分がかかります
- 税の申告は、協会への届出と同じ日に、同じ建物内にある税関係の窓口で行います
- 手数料は1件につき450円で、協会の窓口で納めます(印紙は使用しません)
- 当事務所にご依頼の場合の費用は、合計7,650円(報酬6,600円+手数料450円+送料600円、いずれも税込)です
手続きの前に確認すること
- 車検証の所有者がローン会社や販売店になっている場合は、事前に所有者の同意を得たうえで申請します。詳しくは、車両を購入した販売店やローン会社へお問い合わせください
- 電子車検証の券面には所有者が記載されません。所有者は「自動車検査証記録事項」の書面か、車検証閲覧アプリで確認します(スマホでの出し方はこちら)
- 申請するのは、車検証に記録されている使用者です。使用者以外の方が窓口へ行く場合は、申請依頼書が必要です
一時使用中止(ナンバー返納)を検討するケース
一時使用中止は、車両を手放すものではなく、公道で使用しない状態にしておくための届出です。車両は手元に残り、新規検査を受ければ再び使用できます。具体的には、次のような場合に利用されています。
- 海外赴任や長期出張などで、長期間車両を使用しない場合
- 療養などの理由により、運転が困難な場合
- 車両の譲渡や売却を予定しているものの、相手方が決まっていない場合
- 生活環境の変化などにより、当面の間使用しない場合
車両を解体する場合は、一時使用中止ではなく、「解体返納」または「解体届出」を行います。
解体返納を代理人に依頼する場合は、軽自動車・解体返納代行のページをご覧ください。
手続きの流れ
必要な書類をそろえる
車検証の原本と申請書を用意します。代理人が申請する場合は、申請依頼書も準備します。書類の一覧は、下の「手続きに必要な書類一覧」の表のとおりです。
ナンバープレートを取り外す
車両の前後2枚のナンバープレートを取り外し、軽自動車検査協会へ持参します。
協会の窓口で申請する
軽自動車検査協会岩手事務所の窓口に、申請書・車検証・ナンバープレートを提出し、手数料450円を納めます。受付が済むと、「自動車検査証返納証明書」が交付されます。
同じ日に税の申告をする
同じ建物内にある税関係の窓口に「軽自動車税申告(報告)書」を提出し、課税を止める申告を行います。この申告は、協会への届出と同じ日に行います。
岩手県における手続き窓口と受付時間
届出は、軽自動車検査協会 岩手事務所で行います。自動車検査証返納届は、岩手運輸支局や市役所などでは受け付けていませんのでご注意ください。盛岡・岩手・平泉のどのナンバーでも、県内の窓口はこの1か所です。
建物の玄関を入って左側にある②番の総合窓口で「一時使用中止の手続きをしたい」と申し出ると、必要な書類や記入方法について案内を受けられます。初めての方でも、窓口の案内に沿って申請を進められます。
軽自動車検査協会岩手事務所
- 所在地
〒020-0842 岩手県盛岡市湯沢16地割15番地10 - 電話番号
050-3816-1833 - 受付時間
平日(祝日・12月29日〜1月3日を除く)
8時45分〜11時45分、13時00分〜16時00分
毎年3月は、年度末の申請が集中し、窓口が大変混雑します。3月に届け出る場合は、時間に余裕をもって窓口へ行くと安心です。
手続きに必要な書類一覧
軽自動車検査協会へ提出する書類は、次のとおりです。申請書と申請依頼書は、軽自動車検査協会のウェブサイトからダウンロードできるほか、協会の窓口でも入手できます。申請書の正式名は「自動車検査証返納証明書交付申請書・自動車検査証返納届出書(軽第4号様式)」です。
| 書類 | 必要な場合・備考 |
|---|---|
| 1. 自動車検査証(車検証) | 必須。原本を提出します(コピーは不可) |
| 2. ナンバープレート(車両番号標) | 必須。前後の2枚を提出します(紛失した場合は「車両番号標未処分理由書」) |
| 3. 申請書(軽第4号様式) | 必須。協会のウェブサイトまたは窓口で入手します |
| 4. 事業用自動車等連絡書 | 事業用(黒ナンバー)の場合。使用の本拠の位置を管轄する運輸支局の輸送担当窓口で確認します |
| 5. 申請依頼書 | 使用者以外の方が申請する場合。協会のウェブサイトまたは窓口で入手します |
事業用自動車等連絡書は、事業用(黒ナンバー)の車両の場合のみ必要です。自家用の軽自動車であれば、原則として1〜3の書類で申請できます(ナンバープレートを紛失した場合は、2の代わりに車両番号標未処分理由書を提出します)。使用者以外の方が申請する場合は、5の申請依頼書を加えます。
手続きに関する費用
自動車検査証返納証明書の交付を受けるための手数料は、1件につき450円です。
この手数料は軽自動車検査協会に納めるもので、協会の窓口で納付します。普通車(登録自動車)の手続きとは異なり、自動車検査登録印紙は使用しません(道路運送車両法第102条第1項第10号・第5項)。
【重要】軽自動車税の課税を止める申告手続き
協会での受付が済んだら、同じ建物内にある税関係の窓口で「軽自動車税申告(報告)書」を提出し、課税を止める申告を行います。この申告を行わないと、翌年度以降も課税が続きます。
隣接する窓口で税の申告ができるのは、協会での手続きと同時に行う場合に限られます(軽自動車検査協会のよくあるご質問)。日を改めずに、返納証明書を受け取ったら続けて申告を済ませます。
軽自動車税は、毎年4月1日時点の所有者(ローンで購入し、所有権が販売店などに残っている場合は使用者)に、その年度の1年分が課税されます。月割りの制度はないため、4月2日以降に廃車の届出をした場合は、その年度の1年分を納める必要があります。なお、令和8年(2026年)4月の環境性能割の廃止に伴い、「軽自動車税(種別割)」の名称は「軽自動車税」に変わりました。
ご注意ください
- 自動車検査証返納証明書は再交付できません。再び使用するときや、車両を譲渡するときに必要となるため、大切に保管してください
- 一時使用中止では、車検の残りの期間に応じた自動車重量税は還付されません。還付を受けられるのは、車両を解体して届け出る場合です
- 車検が切れている、故障して動かないといった状態でも、返納の届出と税の申告をしない限り軽自動車税は課税されます
岩手県での自動車手続き代行について
平日に軽自動車検査協会へ行く時間が取れない場合や、書類の作成に不安がある場合は、行政書士に依頼する方法もあります。当事務所では、岩手県内全域の軽自動車の一時使用中止を代行しています。
費用は合計7,650円(税込)です(報酬6,600円+申請手数料450円+送料600円)。書類は郵送でお送りいただけるため、事務所へお越しいただく必要はありません。詳しくは軽自動車の一時使用中止代行のページでご案内しています。
よくあるご質問
ナンバープレートを紛失した場合はどうなりますか?
ナンバープレートを返納できない場合は、紛失した時期や経緯を記入した「車両番号標未処分理由書」を提出します。1枚だけ紛失した場合は、残っている1枚を持参する必要があります。
様式は軽自動車検査協会のウェブサイトから印刷できるほか、協会の窓口でも入手できます。
代理人による申請は可能ですか?
使用者以外の方が窓口へ行く場合は、使用者からの「申請依頼書」を提出すれば申請できます。ご家族が代わりに窓口へ行く場合も同じです。
当事務所にご依頼の場合も、この申請依頼書を使用します。
再び車両を使用したい場合は、どのような手続きが必要ですか?
軽自動車検査協会で新規検査(中古車)を受けると、再び公道で使用できます。新規検査では、一時使用中止の際に交付された「自動車検査証返納証明書」が必要です。
返納証明書は再交付できません。紛失した場合も新規検査は受けられますが、事前に必要となる書類があるため、受検する協会の事務所のコールセンターへお問い合わせください。
車検の残りの期間の自動車重量税は戻りますか?
一時使用中止だけでは、自動車重量税は還付されません。
還付を受けられるのは、車両を解体し、解体届出(解体返納)と同時に還付申請をする場合です(国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度」)。
一時使用中止をした軽自動車を売る・譲るには、どうすればよいですか?
返納したままの状態で所有者を変更する場合は、軽自動車検査協会で「自動車検査証返納後の所有者変更記録申請」を行います。主な書類は、譲渡証明書、新しい所有者の住所を証する書面(発行後3か月以内)、所有者変更記録申請書(軽第1号様式)で、手数料はかかりません。
新しい所有者が公道で使用する場合は、自動車検査証返納証明書を添えて新規検査(中古車)を受けます。
まとめ

軽自動車の一時使用中止は、軽自動車検査協会岩手事務所で車検証とナンバープレートを返納し、自動車検査証返納証明書の交付を受ける手続きです。書類をそろえたうえで、協会への届出と税の申告の2つを同じ日に済ませます。
軽自動車税は4月1日時点の所有者に1年分が課税されるため、使用しない予定が決まった段階で届け出ることが大切です。毎年3月は窓口が混雑するため、年度末に届け出る場合は、日程に余裕をもって準備することをおすすめします。



