【軽自動車の車庫証明】岩手県では不要?│盛岡市の例外について解説

軽自動車をお持ちの方、または購入を検討している方の中には「軽自動車に車庫証明は必要?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。実は、軽自動車は普通自動車とは異なり、原則として車庫証明は不要です。
しかし、岩手県では、盛岡市(旧玉山村地域を除く)において例外的に届出手続きが必要となっています。
本記事では、岩手県盛岡市における軽自動車の保管場所届出について、法的根拠から具体的な手続き方法まで、わかりやすく解説いたします。
軽自動車は車庫証明が原則不要
普通自動車を購入する際や住所変更の際には、警察署で「自動車保管場所証明書」(通称:車庫証明)の取得が義務付けられています。これは車の保管場所が確実に確保されていることを証明する重要な書類で、運輸支局での登録手続きの際に必要となります。
一方、軽自動車については、このような車庫証明の取得義務は原則としてありません。ただし、交通事情や人口密度などを考慮して指定された特定の地域では、「自動車保管場所届出書」の提出が求められます。
この「届出」は「証明」とは性質が異なり、より簡便な手続きで完了するのが特徴です。
【重要】岩手県盛岡市では軽自動車の保管場所届出が必要
岩手県内では、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」等に基づき、盛岡市(旧玉山村地域を除く)が軽自動車の保管場所届出義務地域に指定されています。
届出が必要となるケース
盛岡市内(旧玉山村地域は除く)を軽自動車の使用の本拠の位置とする場合、以下の状況で届出が必要です。
- 新車購入時
- 中古車購入や譲渡による所有者変更時
- 使用の本拠を他地域から盛岡市内に変更し、保管場所も変更する場合
- 盛岡市内での保管場所変更時
- 運送事業用自動車を自家用に転用する場合
「使用の本拠の位置」とは?
車検証に記載される「使用の本拠の位置」は、車の所有者が実際に車を管理・使用する場所を指します。多くの場合は所有者の住所と一致しますが、事業所や単身赴任先で主に使用している場合は、その場所が使用の本拠の位置となります。
保管場所として認められる要件
軽自動車の保管場所として認められるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 距離要件:使用の本拠の位置から2キロメートル以内であること
- 収容要件:車両が道路から支障なく出入りでき、車両全体を収容できること
- 権原要件:保管場所として使用する正当な権利を有すること
手続きの流れと必要書類
手続きの基本的な流れ
- 必要書類の準備
- 管轄警察署への届出
- 受付印のある受理票を受領
必要書類一覧
軽自動車の保管場所届出には、主に以下の3種類の書類が必要です。
① 自動車保管場所届出書
・警察署で入手、または岩手県警察のウェブサイト、下記リンクからダウンロード可能
② 保管場所の所在図・配置図
・所在図:保管場所の位置を示す地図
・配置図:駐車場内での具体的な駐車位置を示す図面
③ 保管場所の使用権限を証明する書類
・自己所有の場合:「自認書」
・他人所有の場合:「保管場所使用承諾証明書」(土地所有者や管理会社から取得)
手数料について
令和7年4月から保管場所標章制度が廃止されたため、現在は手数料は不要です。
以前は標章(ステッカー)交付手数料として550円が必要でしたが、制度改正により費用負担がなくなりました。
» 自動車の保管場所標章制度の廃止について【2025.4.1~】
届出を怠った場合の罰則
「自動車の保管場所の確保等に関する法律第17条第3項」により、保管場所届出を怠った場合は10万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
届出が必要となる場合は必ず適切な手続きを行いましょう。
よくあるご質問
盛岡市内で引っ越しした場合、手続きは必要ですか?
引っ越し先が盛岡市内(旧玉山村地域を除く)で、かつ保管場所が変更となる場合は、「変更届出」が必要です。
家族名義の軽自動車を使用することになった場合は?
名義変更を行い、その車両の保管場所が盛岡市内(旧玉山村地域を除く)にある場合は、新使用者名義での届出が必要となります。
まとめ

岩手県盛岡市(旧玉山村地域を除く)では、軽自動車であっても保管場所届出が義務付けられています。主なポイントは以下の通りです。
- 盛岡市(旧玉山村地域を除く)では軽自動車の保管場所届出が必要
- 届出を怠ると10万円以下の罰金のリスク
- 令和7年4月から手数料は無料
- 保管場所を管轄する警察署での手続きが必要
当事務所では、軽自動車検査協会岩手事務所での軽自動車の登録手続きから管轄警察署での保管場所の届出まで、一連の手続きの代行を承っております。
軽自動車の登録や保管場所の届出に関するご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
自動車の保管場所の確保等に関する法律第5条
第五条 軽自動車である自動車を新規に運行の用に供しようとするときは、当該自動車の保有者は、当該自動車の保管場所の位置を管轄する警察署長に、当該自動車の使用の本拠の位置、保管場所の位置その他政令で定める事項を届け出なければならない。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)
自動車の保管場所の確保等に関する法律第7条
(保管場所の変更届出等)
第七条 自動車の保有者は、第四条第一項の政令で定める書面若しくは同項ただし書の政令で定める通知(以下この条において「書面等」という。)において証された保管場所の位置を変更したとき(道路運送車両法第十二条に規定する処分又は同法第十三条に規定する処分を受けようとする場合において、書面等において証された保管場所の位置を変更したときを除く。)又は第五条の規定による届出に係る保管場所の位置を変更したときは、変更した日から十五日以内に、変更後の保管場所の位置を管轄する警察署長に、当該自動車の使用の本拠の位置、変更後の保管場所の位置その他政令で定める事項を届け出なければならない。変更後の保管場所の位置を変更したとき(同法第十二条に規定する処分又は同法第十三条に規定する処分を受けようとする場合において、書面等において証された保管場所の位置を変更したときを除く。)も、同様とする。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)
自動車の保管場所の確保等に関する法律第17条第3項
(罰則)
第十七条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
(略)
3 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、十万円以下の罰金に処する。
一 第五条、第七条(第十三条第四項において準用する場合を含む。)又は第十三条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
二 第九条第六項の規定に違反したとき。
三 第十二条の規定による報告をせず、若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出したとき。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)
自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令附則第2項
(保管場所の確保を証する書面の提出等の規定等の適用地域)
2 法附則第二項の政令で定める地域は、次の各号に掲げる自動車の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める特別区及び市町村の区域とし、その区域は、平成十二年六月一日における区域とする。
一 法第四条第一項の処分に係る自動車 特別区並びに市、町及び別表第一に掲げる村の区域
二 軽自動車である自動車 特別区及び別表第二に掲げる市の区域
→盛岡市の記載あり
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)