自動車の保管場所標章制度の廃止について【2025.4.1~】

車庫証明の手続きを調べていると、「保管場所標章(車庫証明のステッカー)の廃止」という案内を目にすることがあります。保管場所標章の制度は令和7年(2025年)4月1日に廃止されましたが、車庫証明(保管場所証明)の申請や軽自動車の保管場所届出は、引き続き必要です。
この記事では、岩手県で自動車・バイクの登録手続きを専門とする行政書士が、保管場所標章の制度が廃止された理由、廃止に伴う変更点と、現在も必要な手続き、すでに貼付している標章の取扱いを解説します。
この記事のポイント
- 保管場所標章の制度は、令和7年(2025年)4月1日に廃止されました
- 標章が交付されなくなり、標章交付手数料(岩手県では550円)は不要になりました
- 車庫証明の申請と軽自動車の保管場所届出は、引き続き必要です
- 岩手県の車庫証明の申請手数料は、令和8年4月1日から2,550円です
保管場所標章とは?│廃止された理由
保管場所標章は、車庫証明(保管場所証明)や保管場所届出の手続きに伴い、警察署長から交付されていたステッカーです。保有者は、この標章を自動車の後面ガラスに、後方から見やすいように貼って表示しなければなりませんでした(改正前の自動車の保管場所の確保等に関する法律第6条、同法施行規則第7条)。
この制度は、駐車環境の深刻な悪化を背景に、平成2年に設けられたものです。現場の警察官が保管場所の有無や位置を簡便かつ迅速に調べられるようにすること、保管場所がどの警察署の管内に確保されているかを外形的に示し、保有者に保管場所の確保を促すことが目的でした。
警察庁は、標章を廃止した理由として、次の3点を挙げています(警察庁通達・令和6年11月1日)。
- 保管場所の情報がデータベースで管理されるようになり、標章によらなくても、警察官が自動車登録番号などから保管場所の位置を照会できるようになったこと
- 標章の創設から30年以上が経過し、保管場所を確保しなければならないという意識が国民に定着したこと
- 標章をなくすことで、保管場所証明の手続きをすべてオンラインで完結できるようになること
廃止は、「自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律」(令和6年法律第35号)によるものです。この法律は令和6年5月24日に公布され、令和7年4月1日に施行されました。
廃止に伴う主な変更点
廃止の前後で異なる点は、次の表のとおりです。
| 項目 | 廃止前(令和7年3月まで) | 廃止後(令和7年4月から) |
|---|---|---|
| 標章の交付 | 車庫証明や保管場所届出の手続きに伴い交付 | 交付なし |
| 標章交付手数料(岩手県) | 550円 | 不要 |
| 提出書類 | 保管場所標章交付申請書もあわせて提出 | 保管場所標章交付申請書は不要 |
標章の交付と標章交付手数料の廃止
令和7年4月1日以降は、車庫証明や保管場所届出の手続きを行っても、標章は交付されません。これに伴い、岩手県では標章交付手数料550円の納付が不要になりました。その結果、軽自動車の保管場所届出と保管場所の変更届出は、手数料のかからない手続きになりました。
電子申請による手続きの完結
標章は現物のステッカーであるため、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)で電子申請をした場合でも、標章の交付を受ける必要がありました。廃止により、保管場所証明の手続きはオンラインで完結できるようになりました。
岩手県では、自家用自動車(軽自動車を除く)の新規登録の際に、OSSで保管場所証明の申請を行うことができます。
すでに貼付している標章の取扱い
標章の表示を義務付けていた規定(改正前の自動車の保管場所の確保等に関する法律第6条第2項)は削除されました。そのため、すでに貼付している標章を表示し続ける義務はありません。はがすかどうかは、保有者の判断に委ねられています。
廃止後も必要な手続きと岩手県の手数料
車庫証明の申請と保管場所届出
標章は廃止されましたが、保管場所の制度そのものは存続しています。自動車の保有者は、道路以外の場所に保管場所を確保しなければなりません(自動車の保管場所の確保等に関する法律第3条)。次の手続きは、廃止前と同様に必要です。
- 車庫証明(保管場所証明)の申請
・自動車の新規登録のほか、使用の本拠の位置が変わる変更登録・移転登録の際に必要です(同法第4条)。岩手県では、県内のすべての市と町が対象です(平成12年6月1日当時に村であった地域を除く)。 - 軽自動車の保管場所届出
・軽自動車を新たに運行の用に供しようとするときなどに必要です(同法第5条)。岩手県では、盛岡市(旧玉山村を除く)が対象です。 - 保管場所の変更届出
・所有者や使用の本拠の位置などは変わらず、保管場所の位置だけを変更したときは、変更した日から15日以内に届け出ます(同法第7条)。
岩手県の車庫証明の申請手数料
岩手県では、令和8年4月1日に車庫証明の申請手数料が改定され、2,200円から2,550円になりました。OSSを利用した電子申請の手数料も同じ額です(岩手県警察)。窓口で申請する場合は岩手県収入証紙で、OSSの場合はインターネットバンキングまたは金融機関のATMからの振込で納めます。
ご注意ください
- 保管場所として認められるには、使用の本拠の位置から2キロメートル以内であることなどの要件を満たす必要があります(自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令第1条)
- 車庫証明の提出(電子申請の場合は警察署からの通知)がなければ、運輸支局は登録を行いません(自動車の保管場所の確保等に関する法律第4条第2項)
よくあるご質問
車両に貼付している保管場所標章は、はがす必要がありますか。
はがす義務はありません。標章の表示を義務付けていた規定が削除されたため、貼ったままにしておくことも、はがすこともできます。どちらにするかは、保有者の判断に委ねられています。
標章が廃止されたので、車庫証明も不要になったのですか。
廃止されたのは標章の制度だけで、保管場所を確保する義務と車庫証明の制度は存続しています。新規登録や、使用の本拠の位置が変わる変更登録・移転登録の際には、これまでと同じく車庫証明が必要です(自動車の保管場所の確保等に関する法律第4条)。
軽自動車の保管場所届出はどうなりましたか。
届出の制度は存続しています。廃止に伴い、届出をしても標章は交付されず、標章交付手数料もかからなくなりました。岩手県では、盛岡市(旧玉山村を除く)を使用の本拠の位置とする軽自動車が対象です。
岩手県の車庫証明の申請手数料はいくらですか。
令和8年4月1日から2,550円です(改定前は2,200円)。窓口で申請する場合は岩手県収入証紙で納めます。OSSを利用した電子申請も同じ額です。
標章がなくなると、保管場所はどのように確認されるのですか。
保管場所の情報はデータベースで管理されており、警察官は自動車登録番号などから保管場所の位置を照会できます。標章がなくなっても、保管場所を確保する義務は変わりません。
まとめ
保管場所標章の制度は、保管場所の情報がデータベースで管理され、自動車登録番号などから照会できるようになったことなどを理由に、令和7年4月1日に廃止されました。標章の交付と標章交付手数料はなくなり、すでに貼付している標章を表示し続ける義務もありません。
ただし、廃止されたのは標章の制度に限られ、自動車の保有者が保管場所を確保する義務は存続しています。そのため、自動車の新規登録や使用の本拠の位置の変更などの際には、これまでと同様に車庫証明の申請が必要です。盛岡市(旧玉山村を除く)では、軽自動車の保管場所届出も引き続き行わなければなりません。
なお、岩手県の車庫証明の申請手数料は、標章制度の廃止とは別に、令和8年4月1日に2,200円から2,550円へ改定されています。
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引っ越しや車の売買をされた方へ
車検証に記録されている所有者や使用者の住所などに変更があった場合は、車庫証明が必要になることがあります。車庫証明が必要になるのは、使用の本拠の位置が変わるときです。
岩手県・盛岡市、盛岡市近郊での車庫証明手続きの代行については、車庫証明取得代行ページをご覧ください。


