認証工場と指定工場の違いとは?それぞれの特徴をわかりやすく解説

愛車の車検や整備を依頼する際、どの自動車整備工場を選べばよいか迷ったことはありませんか?整備工場には「認証工場」と「指定工場」の2種類があり、それぞれ特徴や提供サービスが異なります。
この記事では、認証工場と指定工場の違いをわかりやすく解説し、あなたに最適な整備工場を選ぶためのポイントをご紹介します。
自動車整備工場の2つのタイプ
日本の自動車整備工場は、道路運送車両法に基づき大きく「認証工場」と「指定工場」の2つに分類されます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
認証工場とは
認証工場とは、道路運送車両法第78条第1項に基づき、地方運輸局長から「認証」を受けた整備工場で、安全な整備を提供するための基準を満たしており、車両の分解整備を行うことができます。
認証工場の主な特徴は以下の通りです。
- 分解整備の実施が可能:エンジンやブレーキなど安全に関わる重要部品の分解整備ができます。
- 施設・人員基準:一定規模の作業場と作業機械、必要な資格を持つ整備士を配置しています。
- 車検の流れ:整備後、運輸支局等に車両を持ち込んで検査を受ける必要があります。
- 標識の掲示:認証工場であることを示す標識を提示しています。
指定工場とは
指定工場は、認証工場の中でもさらに厳しい基準を満たし、道路運送車両法第94条の2第1項に基づき、地方運輸局長から「指定自動車整備事業」の「指定」を受けた工場です。一般的には「民間車検場」とも呼ばれています。
指定工場の主な特徴は以下の通りです。
- 自社での車検が完結:自社内で車検のすべての工程を完了できます。
- 設備・技術・組織:認証工場の基準に加え、検査設備や自動車検査員の配置など、より高い基準を満たしています。
- 保安基準適合証の発行:自動車検査員による検査後、保安基準適合証を発行でき、これにより運輸支局などへ車両を持ち込む必要がありません。
- 標識の提示:指定工場であることを示す標識を掲示しています。
認証工場と指定工場の比較
項目 | 認証工場 | 指定工場 |
---|---|---|
車検の実施 | 車検場への持ち込みが必要 | 工場内で完結可能(保安基準適合証の発行が可能) |
設備・人員 | 一定規模の作業場、作業機械、分解整備に従事する従業員 | 認証工場の基準+検査設備、自動車検査員、管理組織 |
対応範囲 | 点検・整備(車検は運輸支局への持ち込みが必要) | 点検・整備から車検まで一貫対応可能 |
整備工場選びのポイント
車検を依頼する際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 工場の種類の確認:認証工場か指定工場かを確認する。
- 標識の確認:標識が掲示されているか確認する。
- 整備内容の確認:分解整備を含む点検・整備内容を確認する。
まとめ

自動車整備工場には「認証工場」と「指定工場」の2種類があり、それぞれ異なる特徴があります。車検や整備を依頼する際は、ご自身のニーズや優先事項を考慮して、適切な整備工場を選びましょう。
また、工場選びの際は必ず認可を受けた工場(認証工場または指定工場)であることを確認し、安全で適切な整備を受けましょう。
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道路運送車両法第78条第1項
(認証)
第七十八条 自動車特定整備事業を経営しようとする者は、自動車特定整備事業の種類及び特定整備を行う事業場ごとに、地方運輸局長の認証を受けなければならない。
(以下略)
道路運送車両法第94条の2第1項
(指定自動車整備事業の指定等)
第九十四条の二 地方運輸局長は、自動車特定整備事業者の申請により、自動車特定整備事業の認証を受けた事業場であつて、自動車の整備について前条第一項の国土交通省令で定める基準に適合する設備、技術及び管理組織を有するほか、国土交通省令で定める基準に適合する自動車の検査の設備を有し、かつ、確実に第九十四条の四第一項の自動車検査員を選任して第九十四条の五第一項の自動車の点検及び整備について検査をさせると認められるものについて、指定自動車整備事業の指定をすることができる。
(以下略)
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)