車検と予備検査の違いは?有効期間や登録までの流れを解説

「予備検査付き」「予備検査渡し」と書かれた中古車を見て、通常の車検と何が違うのか迷う方も多いのではないでしょうか。
なお、ユーザー車検の前にテスター屋で受ける任意の事前確認は、道路運送車両法上の予備検査とは別のものです。
この記事では、法令上の予備検査を中心に、車検との違い、登録までの流れ、予備検査付き中古車を確認するときの注意点を説明します。
この記事のポイント
予備検査とは、まだ登録を受けていない自動車などについて、車両の検査だけを先に行い、保安基準に適合しているかを確認する制度です。
合格すると自動車予備検査証が交付されます。有効期間は3か月です。ただし、予備検査証だけでは公道を走れません。
予備検査とは
道路運送車両法第71条の予備検査は、登録を受けていない自動車や、車両番号(ナンバー)の指定を受けていない検査対象軽自動車・小型二輪を対象とする検査です。
車両を運輸支局や軽自動車検査協会などに提示し、検査時点で保安基準に適合していると認められれば、自動車予備検査証が交付されます。
販売店が、購入者や使用の本拠が決まる前の商品車について、あらかじめ検査を受けておく場面などで利用されます。車両の検査を先に済ませておき、販売先が決まってから登録手続きを行える点が特徴です。
車検と予備検査の違い
一般に「車検」と呼ばれる手続きは、多くの場合、登録済みの車を引き続き使用するための継続検査を指します。一方、予備検査は、使用者や使用の本拠が決まる前の未登録車などについて、車両の検査だけを先に行う手続きです。
| 比較項目 | 継続検査(一般にいう車検) | 予備検査 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 登録済み・車両番号指定済みで、車検証の有効期間の満了後も使用する車 | 未登録の自動車、車両番号未指定の検査対象軽自動車・小型二輪 |
| 目的 | 引き続き使用する車が、検査時点で保安基準に適合しているかを確認する | 使用者や使用の本拠が決まる前などに、車両の検査を先に済ませる |
| 合格後 | 車検証の有効期間が更新され、検査標章が交付される | 自動車予備検査証が交付される |
| 有効期間 | 自家用乗用車は通常2年 | 自動車予備検査証の交付から3か月 |
| ナンバープレート | 原則として現在のナンバーを使用する | 予備検査の合格時には交付されない |
| 登録手続き | 通常は別の新規登録を行わない | 有効期間内に新規登録や車検証交付の手続きが必要 |
| 重量税・自賠責 | 検査を受けるときに納付・提示が必要 | 予備検査のときは不要。登録のときに必要 |
車検も予備検査も、検査時点で保安基準に適合しているかを確認するものです。次の検査まで故障しないことや、車両の品質を保証する制度ではありません。
予備検査証の有効期間は3か月
自動車予備検査証の有効期間は、道路運送車両法第71条第3項で3か月と定められています。
予備検査証を使って登録する場合は、有効期間内に必要書類をそろえ、新規登録または車検証交付の手続きを済ませる必要があります。期限を過ぎた予備検査証は、これらの手続きには使用できません。
ご注意ください
予備検査証の交付を受けただけでは、車検証やナンバープレートは交付されません。
予備検査証を備えているだけでは、未登録の車を通常どおり公道で運転することはできません。車を運輸支局などへ持ち込む必要がある場合は、運搬方法や臨時運行許可(仮ナンバー)の要否を事前に確認してください。
予備検査後から登録までの流れ
予備検査に合格する
車両を提示して検査を受け、合格すると自動車予備検査証が交付されます。
使用者と使用の本拠を決める
住所を証する書面など、登録に必要な書類を準備します。普通車は、使用の本拠の位置によっては車庫証明(自動車保管場所証明書)も必要です。
有効期間内に登録手続きを行う
予備検査証、自賠責保険の証明書、税関係の書類などを提出します。車種や申請内容によって必要書類は異なります。
車検証とナンバープレートの交付を受ける
普通車は、後面のナンバープレートに封印の取付けを受けます。
有効な予備検査証を使用する場合は、登録時に同じ車両検査を改めて受ける必要はありません。ただし、新規登録や税の申告、自賠責保険、ナンバープレートなどの手続きまで省略できるわけではありません。
重量税と自賠責保険は登録のときに納めます
予備検査の申請でかかるのは、検査手数料です。この段階では、自動車重量税と自賠責保険の負担は生じません。
自動車重量税は、車検証の交付を受ける人に課される税金で、車検証の交付を受けるときまでに納めます。自賠責保険の証明書も、車検証の交付を受ける手続きのときに提示します。どちらも、予備検査証を使って登録するときに必要になります。
なお、予備検査を受けるために車を公道で運ぶ場合は、臨時運行許可(仮ナンバー)と、その期間をカバーする自賠責保険が必要です。
テスター屋の「予備検査」は別のもの
運輸支局の近くにある民間の予備検査場は、一般に「テスター屋」と呼ばれます。ユーザー車検の前に、検査機器を使って車両の状態を確認するサービスです。
テスター屋での確認は、車検本番で指摘される可能性のある箇所を事前に把握するために利用されます。ただし、運輸支局等または軽自動車検査協会で受ける、道路運送車両法上の予備検査とは別のものです。自動車予備検査証も交付されません。
| 項目 | 法令上の予備検査 | テスター屋の事前確認 |
|---|---|---|
| 実施主体 | 国または軽自動車検査協会 | 民間事業者 |
| 主な利用場面 | 未登録車などの車両検査を登録前に済ませる | ユーザー車検の受検前に状態を確認する |
| 結果 | 合格すると自動車予備検査証が交付される | 自動車予備検査証は交付されない |
車検と定期点検整備も別の制度
車検は、検査時点で保安基準に適合しているかを確認する制度です。一方、定期点検整備は、故障を未然に防ぎ、車の状態を維持するために行うものです。
定期点検整備は車検と同じ時期に行われることが多いものの、車検そのものに含まれるわけではありません。定期点検整備を車検の後に行うこともできます(国土交通省は「前検査(後整備)」と呼んでいます)。その場合も、車検の後に定期点検整備を行う必要があります。
予備検査付き中古車を確認するときの注意点
購入前に確認したいこと
- 予備検査証の有効期限までに、登録手続きが間に合うか
- 車台番号など、予備検査証と車両の情報が一致しているか
- 予備検査後に、車両の構造や装置が変更されていないか
- 譲渡証明書や、普通車の場合の登録識別情報等通知書など、登録に必要な書類がそろっているか
- 修復歴や故障の有無など、車両の状態を別途確認したか
予備検査に合格していても、中古車の品質や、故障がないことまで保証されるわけではありません。購入条件と車両の状態は、予備検査証とは分けて確認しましょう。
よくある質問
予備検査証があれば、そのまま公道を走れますか?
いいえ。予備検査証だけでは、通常どおり公道を走ることはできません。車検証とナンバープレートの交付を受けるための登録手続きが必要です。
予備検査証の有効期限が切れたら、登録に使えますか?
期限を過ぎた予備検査証は、車検証の交付を受ける手続きには使えません。車両の検査を改めて受ける必要があります。
予備検査を受ければ、定期点検整備は不要ですか?
不要にはなりません。検査と定期点検整備は目的が異なります。定期点検整備は、自動車の使用者に課される別の義務です。
まとめ
法令上の予備検査は、未登録車などについて車両の検査を先に済ませる制度です。合格すると有効期間3か月の自動車予備検査証が交付されますが、これとは別に、登録や車検証・ナンバープレートの交付を受ける手続きが必要です。
テスター屋の事前確認は、ユーザー車検の前に利用する民間サービスで、法令上の予備検査とは異なります。どちらも「予備検査」と呼ばれることがあるため、どちらを指しているのかを確認しましょう。
岩手県で予備検査証を使った中古新規手続きを依頼したい方は、車種に応じて普通車、軽自動車、小型二輪のサービス案内をご確認ください。
この記事の出典
- e-Gov法令検索「道路運送車両法」(第7条、第11条、第47条、第48条、第61条、第62条、第71条)
- e-Gov法令検索「道路運送車両法施行規則」(第8条、第44条)
- e-Gov法令検索「自動車重量税法」(第2条、第4条、第8条)
- e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法」(第5条、第9条)
- 東北運輸局「自動車の車検(検査)はどのように受ければよいですか?」
- 東北運輸局「自動車の点検整備」
- 国土交通省「車検時の点検整備実施状況のお知らせ」
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「新規登録」
- 軽自動車検査協会「予備検査」



