保安基準適合証とは?必要な場面と役割について解説

予定を確認している男性

通常、一般ユーザーが目にすることはない「保安基準適合証」は、車検の際などに必要となる、自動車が国の定める保安基準に適合していることを証明する書類です。

本記事では、保安基準適合証が必要となる場面や、その役割について解説します。

保安基準適合証とは?

保安基準適合証は指定自動車整備事業者(指定工場)が発行する書類で、車両が保安基準に適合していることを証明します。これは、運輸局の指定を受けた整備工場での検査を経て発行されます。
※指定工場だけが保安基準適合証を発行することができます。

発行の流れ

  1. 車両が指定工場で検査を受ける
  2. 検査に合格した場合、保安基準適合証が発行される
  3. 保安基準適合証とその他必要書類を運輸支局等に提出することで、正式な車検証が交付(書換)される
    ※検査合格後、車検証の交付(書換)までの間は指定工場が発行する保安基準適合標章を車両に貼り付けることで、指定工場での検査が完了し保安基準に適合していることを証明する

保安基準適合証が必要になる場面

1. 車検時

保安基準適合証は指定工場で車検を受けた場合に発行される書類であり、適合証があることで運輸支局等での実車検査を省略できます。

2. 中古車の新規登録手続き

中古車の新規登録手続きにおいて、保安基準適合証を使用する場合があります。OSS(ワンストップサービス)申請を利用する場合には電子保安基準適合証が求められます。

保安基準適合証の有効期限と注意点

保安基準適合証の有効期限は検査日から15日間です。この期間を過ぎると公道を走行できなくなるため注意が必要です。

保安基準適合証と関連書類の比較

書類名発行者有効期限主な用途
保安基準適合証指定自動車整備事業者検査日から15日間車検証取得(書換)、中古新規登録
自動車検査証(車検証)運輸支局等車種により1〜3年車両の保安基準適合証明
仮ナンバー市区町村発行日から最大5日間車検切れや未登録の車両の一時的走行
限定自動車検査証運輸支局等検査日より15日特定条件下での走行許可

まとめ

削減

保安基準適合証は、指定工場での車検合格を証明し、車検証の交付(書換)を行うための必須書類です。車検証、仮ナンバー、限定自動車検査証など、関連書類との違いを理解することが重要です。

  • 保安基準適合証の有効期限は検査日から15日間
  • 指定整備工場での検査後に発行される
  • 運輸支局等での実車検査を省略できることがメリット
  • OSS申請時には電子保安基準適合証が必要
  • 保安基準適合証と同時に発行される保安基準適合標章を車両に貼り付けることで、指定工場での検査が完了し保安基準に適合していることを証明する

道路運送車両法第94条の5第1項

(保安基準適合証等)
第九十四条の五 指定自動車整備事業者は、自動車(検査対象外軽自動車及び小型特殊自動車を除く。)を国土交通省令で定める技術上の基準により点検し、当該自動車の保安基準に適合しなくなるおそれがある部分及び適合しない部分について必要な整備をした場合において、当該自動車が保安基準に適合する旨を自動車検査員が証明したときは、請求により、保安基準適合証及び保安基準適合標章(第十六条第一項の申請に基づく一時抹消登録を受けた自動車並びに第六十九条第四項の規定による自動車検査証返納証明書の交付を受けた検査対象軽自動車及び二輪の小型自動車にあつては、保安基準適合証)を依頼者に交付しなければならない。ただし、第六十三条第二項の規定により臨時検査を受けるべき自動車については、臨時検査を受けていなければ、これらを交付してはならない。
(略)
11 第一項の規定による自動車検査員の証明を受けた自動車が国土交通省令で定めるところにより当該証明に係る有効な保安基準適合標章を表示しているときは、第五十八条第一項及び第六十六条第一項の規定は、当該自動車について適用しない。

出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)

道路運送車両法第58条第1項

(自動車の検査及び自動車検査証)
第五十八条 自動車(国土交通省令で定める軽自動車(以下「検査対象外軽自動車」という。)及び小型特殊自動車を除く。以下この章において同じ。)は、この章に定めるところにより、国土交通大臣の行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならない。

出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)

道路運送車両法第66条第1項

(自動車検査証の備付け等)
第六十六条 自動車は、自動車検査証を備え付け、かつ、国土交通省令で定めるところにより検査標章を表示しなければ、運行の用に供してはならない。

出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)