仮ナンバー(臨時運行許可)とは?│取得方法・必要書類・注意点を解説

仮ナンバーは、車検切れの車両の継続検査や未登録の車両を登録するために運輸支局等まで公道を運行する場合などに使用する臨時のナンバープレートです。 正式名称は「自動車臨時運行許可番号標」と呼ばれ、特定の条件下で一時的に運行を許可する制度です。
本記事では、仮ナンバーの役割、取得方法、注意点を詳しく解説します。仮ナンバーを正しく活用し、安全かつスムーズに車両を移動させましょう。
仮ナンバー(自動車臨時運行許可番号標)とは?
仮ナンバー(自動車臨時運行許可番号標)は、車検切れや未登録の自動車が、特定の目的で公道を一時的に走行するためのナンバープレートです。正式名称は「自動車臨時運行許可番号標」といい、道路運送車両法に基づいて市区町村が貸し出します。
対象となる自動車は、普通自動車、小型自動車、検査対象軽自動車、大型特殊自動車、251cc以上の二輪の小型自動車です。
※車検のない126cc~250ccの軽二輪、125cc以下の原動機付自転車、小型特殊自動車は対象外
仮ナンバーを使用するケース
仮ナンバー(臨時運行許可番号標)を使用する主なケースは以下のとおりです。
車検切れの車両を公道で運行する場合
車検が切れてしまった自動車を、車検場や整備工場などに移動させる際に使用します。
未登録車両の新規登録や検査の場合
未登録の車両の登録や検査のために、運輸支局や軽自動車検査協会等まで運行する際に使用します。
ナンバープレートの盗難や破損時
ナンバープレートの盗難や破損により、再交付の手続きのために運輸支局や軽自動車検査協会等まで運行する際に使用します。盗難の場合は、警察署への届け出が必要になります。
仮ナンバーの取得方法と必要書類
仮ナンバーの取得方法は以下のとおりです。運行経路に含まれる市区町村の窓口で手続きを行います。
必要書類
車両の情報を確認できる書類
主なものは以下のとおりです。
- 車検証(電子車検証の場合、自動車検査記録事項も必要)
- 登録識別情報等通知書(一時抹消登録証明書)
- 自動車検査証返納証明書
- 自動車予備検査証
自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責)の原本
- 仮ナンバー使用期間をカバーする有効な証明書が必要です。
- 令和7年1月より電子交付が開始されましたが、電子交付された証明書は自動車臨時運行許可証の申請に使用することができないため注意が必要です。
本人確認書類
運転免許証やマイナンバーカードなど。
自動車臨時運行許可申請書
市区町村の窓口や公式ウェブサイトで入手可能です。
手数料
750円/回程度
申請手続きの流れ
- 必要書類を揃え、運行経路に含まれる市区町村の担当窓口へ
- 窓口で申請書に必要事項を記入し、書類を提出
- 手数料を支払い、仮ナンバーを受け取る
- 使用後は、期限内に仮ナンバーを返却
仮ナンバー利用時の注意点と罰則
仮ナンバーを利用する際には、以下の条件を守る必要があります。
- 使用目的と運行経路の制限
・申請時に記載した目的と経路以外での使用は禁止されています。 - 有効期間
・最長5日間で、目的達成に必要な最小日数のみ許可されます。 - 返却義務
・使用後は速やかに市区町村の担当窓口へ返却しなければなりません。
これらの条件に違反した場合、罰則が科される可能性があります。
仮ナンバーと回送運行許可(ディーラーナンバー)の違い
仮ナンバーと混同されやすいのが「回送運行許可(ディーラーナンバー)」です。 車検切れや抹消済みの自動車を道路で運行するには、通常は臨時運行許可が必要です。
しかし、自動車メーカーやディーラーなど、頻繁に車両を輸送する事業者にとって、この手続きは大きな負担となります。そこで、手続き等の簡素化を図るため、一定の基準を満たす事業者に対して許可をするものが回送運行許可制度です。
仮ナンバー(臨時運行許可)と回送運行許可の比較
項目 | 仮ナンバー | 回送運行許可 |
---|---|---|
使用目的 | 個人の車検や登録手続き | 業者が業務で車両を移動させる場合 |
管轄機関 | 市区町村 | 運輸支局 |
有効期間 | 最長5日間 | 最長5年間 |
対象車両 | 申請した1台のみ | 複数の車両に使用可能 |
ナンバー | 赤色の斜線 | 赤い枠で囲まれている |
まとめ

仮ナンバーは、車検切れや未登録の自動車を一時的に公道で運行させるための制度です。取得には、必要書類の準備と申請手続きが必要となります。
利用時には、使用目的や運行経路などの定められたルールを厳守しなければなりません。この記事を参考に、仮ナンバーを適切に取得・利用してください。
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道路運送車両法第34条
(臨時運行の許可)
第三十四条 臨時運行の許可を受けた自動車を、当該自動車に係る臨時運行許可証に記載された目的及び経路に従つて運行の用に供するときは、第四条、第十九条、第五十八条第一項及び第六十六条第一項の規定は、当該自動車について適用しない。
2 前項の臨時運行の許可は、地方運輸局長、市及び特別区の長並びに政令で定める町村の長(「行政庁」という。次条において同じ。)が行う。
(以下略)
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)
道路運送車両法第36条の2
(回送運行の許可)
第三十六条の二 自動車の回送を業とする者で地方運輸局長の許可を受けたものが、その業務として回送する自動車(以下「回送自動車」という。)で、次に掲げる要件を満たすものを、当該許可の有効期間内に、当該回送運行許可証に記載された目的に従つて運行の用に供するときは、第四条、第十九条、第五十八条第一項及び第六十六条第一項の規定は、当該自動車について適用しない。
一 回送運行許可番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないことその他当該回送運行許可番号標に記載された番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示していること。
二 回送運行許可証を備え付けていること。
(以下略)
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)