完成検査終了証とは?使用場面から有効期限、注意点まで解説

新車の登録時に使われる「完成検査終了証」。どのような書類で、なぜ必要なのかと疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
完成検査終了証は、型式指定を受けた新車について、自動車メーカー等が検査を行い、保安基準に適合していると認めたときに発行する書類です。これを提出すると、新車の登録や検査のときに、車を運輸支局等へ持ち込まずに済みます。
この記事では、完成検査終了証の基本的な定義から、具体的な使用場面、有効期限、注意すべきポイントまで、分かりやすく解説します。
岩手県で自動車・バイクの登録手続きを専門とする行政書士が、道路運送車両法と国土交通省などの公式の案内をもとに解説します。
この記事のポイント
- 完成検査終了証は、型式指定を受けた新車に、自動車メーカー等が発行する書類です
- 新車の登録や検査で、車を持ち込む代わりに提出できます(軽自動車も同じです)
- 使えるのは、発行日(完成検査を終えた日)から9か月以内です
完成検査終了証とは?基本的な定義と役割
完成検査終了証とは、型式指定を受けた自動車メーカー等が、製造した自動車を1台ずつ検査(完成検査)し、国土交通省の定める保安基準に適合していると認めたときに発行する書類です。
保安基準とは、自動車の構造・装置・性能について国が定めた技術上の基準のことです。
この書類が発行される背景には、「型式指定制度」という国の制度があります。
型式指定制度とは?
型式指定制度とは、自動車の型式(同じ設計で作られる車の区分)ごとに、国が保安基準に適合しているか、同じ品質で作られるか(均一性)を事前に審査し、問題がなければその型式を指定する制度です。
この制度により、国が認めた型式の自動車は、国の検査場で1台ずつ車を見せなくても、メーカー等の完成検査と完成検査終了証によって、保安基準への適合を確かめられる仕組みになっています。
完成検査終了証の「使用場面」とメリット
新車を登録したり検査を受けたりするときは、本来、車を運輸支局等へ持ち込んで見せる必要があります。型式指定を受けた車は、完成検査終了証を提出すれば、この車の持ち込み(提示)を省略できます。
完成検査終了証を使う主な場面は、次のとおりです。
| 場面 | 提出先 | 車の 持ち込み |
|---|---|---|
| 普通車の新規登録 (新車) | 運輸支局等 | 不要 |
| 軽自動車の新規検査 (新車) | 軽自動車 検査協会 | 不要 |
| 予備検査 | 運輸支局等 または 軽自動車 検査協会 | 必要 |
※予備検査は、ナンバーを付ける前に、車の検査だけを先に受けておく手続きです。
※「不要」は、発行日から9か月以内の完成検査終了証を出す場合です。譲渡証明書など、ほかの書類は別に必要です。
この書類があることで、以下のようなメリットが得られます。
- 登録手続きの簡素化
・完成検査終了証があることで、運輸支局等への車両の持ち込みが省略でき、登録手続きにかかる時間と手間を大幅に削減できます。 - 納車までの時間の短縮
・登録手続きがスムーズに進むことで、納車までの時間を短縮できます。 - 保安基準への適合の証明
・完成検査の時点で、その車が保安基準に適合していると認められたことを示します。
完成検査終了証の「有効期限」と注意点
完成検査終了証には有効期限が定められています。期限を過ぎると、車の持ち込みを省略できなくなるため、注意が必要です。
有効期限は「発行日から9か月間」
完成検査終了証を車の持ち込みの代わりに使えるのは、発行日から9か月以内のものに限られます(道路運送車両法施行規則 第2条の2)。
発行日は、メーカー等が完成検査を終えた日です(自動車型式指定規則 第8条第2項)。
期限を過ぎたときは
9か月を過ぎても、完成検査終了証そのものは提出します。そのうえで、次のどちらかが必要です(普通車の場合。国土交通省「新規登録」の案内)。
- 車を運輸支局等へ持ち込んで新規検査を受け、合格印のある自動車検査票を提出する
- 有効な自動車予備検査証(有効期間は3か月)を提出する
予備検査については、次の記事で解説しています。
期限にご注意ください
発行日から登録までに時間がかかった新車は、9か月を過ぎていないかを確かめてください。期限を過ぎると車の持ち込みが必要になり、その分、手続きに時間がかかります。
紙ではなく電子データの場合もあります
メーカー等は、紙の完成検査終了証を渡す代わりに、記載する内容を電子データで登録情報処理機関(国土交通大臣の登録を受けた機関)へ提供することもできます。この場合は、紙を発行して渡したものとみなされます(道路運送車両法 第75条第5項・第6項)。
申請書に電子データで提供済みであることを書けば、紙の完成検査終了証を出す必要はありません(同法 第7条第4項)。軽自動車では、平成19年1月4日から完成検査終了証の電子化が始まっています(軽自動車検査協会)。
電子データの場合も、使えるのは発行日から9か月以内です。
まとめ
- 完成検査終了証は、型式指定を受けた新車について、メーカー等が完成検査を行い、保安基準に適合していると認めたときに発行する書類
- 新車の新規登録(軽自動車は新規検査)で、車の持ち込みの代わりに提出できる
- 使えるのは、発行日(完成検査を終えた日)から9か月以内
- 期限を過ぎたら、車を持ち込んで検査を受けるか、自動車予備検査証が必要
- 電子データで提供されていれば、紙の提出は不要
新車を登録する際は、完成検査終了証の発行日から9か月を過ぎていないかを事前に確認し、スムーズに手続きを進めましょう。
自動車の登録手続きは、岩手県内全域(岩手・盛岡・平泉ナンバー)で当事務所が代行しています。
この記事の出典
道路運送車両法第75条第4項
(自動車の指定)
第七十五条 国土交通大臣は、自動車の安全性の増進及び自動車による公害の防止その他の環境の保全を図るため、申請により、自動車をその型式について指定する。
(略)
4 第一項の申請をした者は、その型式について指定を受けた自動車(第二項に規定する者であつてその製作し、又は輸出する自動車の型式について第一項の規定による指定を受けたもの(第九項において「指定外国製作者等」という。)に係る自動車にあつては、本邦に輸出されるものに限る。第八項及び第九項第四号において同じ。)を譲渡する場合において、当該自動車の構造、装置及び性能が保安基準に適合しているかどうかを検査し、適合すると認めるときは、完成検査終了証を発行し、これを譲受人に交付しなければならない。
(以下略)
道路運送車両法施行規則第2条の2
(法第七条第三項第二号の国土交通省令で定める期間)
第二条の二 法第七条第三項第二号(法第五十九条第四項において準用する場合を含む。)の国土交通省令で定める期間は、九月とする。
- 道路運送車両法(第7条・第59条・第75条)|e-Gov法令検索
- 道路運送車両法施行規則(第2条の2)|e-Gov法令検索
- 自動車型式指定規則(第8条)|e-Gov法令検索
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「新規登録」
- 同「新規検査の申請手続」
- 軽自動車検査協会「新規検査(新車)」



