普通車と軽自動車の名義変更を比較!手続きの違いを解説

車を購入したときや、家族・知人から譲り受けたときは、車検証の名義を新しい所有者へ変更する手続きが必要です。
ただ、同じ「車の名義変更」でも、普通車と軽自動車では窓口も書類も違うため、何をどこまで準備すればよいのか迷いやすいところです。
結論からお伝えすると、普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会が窓口です。実印・印鑑証明書・譲渡証明書が必要になるのは普通車だけですので、違いさえ押さえれば準備を整理しやすくなります。
この記事では、車の名義変更が必要になる場面と期限、普通車と軽自動車の違いを、岩手・盛岡での手続きを例に整理します。
なお、この記事では一般の方に伝わりやすい表現として「普通車」と書いていますが、制度上は運輸支局で移転登録を行う「登録自動車」を指しています。軽自動車や二輪は登録自動車とは別の扱いです。
- 1. 車の名義変更が必要になる主な場面
- 1.1.1. POINT
- 2. 名義変更はいつまでに必要か
- 3. 普通車と軽自動車の違いを先に確認する
- 4. 普通車(登録自動車)の名義変更で用意する主な書類
- 4.1. 譲渡証明書は旧所有者が実印を押す
- 4.2. 委任状は「誰が窓口へ行くか」で変わる
- 5. 軽自動車の名義変更で用意する主な書類
- 6. 車庫証明・保管場所届出の違い
- 6.1.1. POINT
- 6.1. 普通車は出張封印を利用できる場合があります
- 6.2. ローン会社や販売店が所有者の場合
- 6.2.1. 車検証の所有者欄を確認する
- 6.2.2. 所有者がローン会社や販売店の場合は、所有権解除の可否を確認する
- 6.2.3. 所有権解除に必要な書類を取得する
- 6.2.4. 普通車または軽自動車の名義変更手続きへ進む
- 6.3. 相続による名義変更は別途確認が必要
- 6.4. 自分で手続きする場合と行政書士へ依頼する場合
- 7. よくあるご質問
- 8. まとめ
- 8.1.1. 道路運送車両法第13条
- 8.1.2. 道路運送車両法第67条
車の名義変更が必要になる主な場面
車の名義変更が必要になるのは、車検証上の車の所有者が変わるときです。
代表的なケースは次のとおりです。
- 中古車を購入した
- 個人売買で車を買った
- 家族や知人から車を譲り受けた
- ローンを完済し、所有権を解除する
- 相続で車を引き継ぐ
POINT
車検証に記録されている「所有者」と「使用者」を最初に確認すると、必要な手続きが整理しやすくなります。
ローンで購入した車では、実際に車を使っている方と、車検証上の所有者が違うことがあります。所有者が販売店やローン会社などになっている場合は、先に所有権解除の書類を確認します。
名義変更はいつまでに必要か
普通車の名義変更は、正式には「移転登録」といいます。普通車は、所有者が変わった日から15日以内に移転登録を申請する必要があります(道路運送車両法第13条)。
軽自動車も、車検証の記録事項に変更があった場合は、変更があった日から15日以内に自動車検査証の変更記録を受ける必要があります(道路運送車両法第67条)。
期限を過ぎても手続き自体ができなくなるわけではありません。ただし、税金の通知が旧所有者へ届く、売却後のトラブルにつながる、書類の有効期限が切れるといった問題が起きやすくなります。
売買や譲渡が決まったら、早めに手続きを進めましょう。
普通車と軽自動車の違いを先に確認する
普通車と軽自動車では、手続き先と必要書類が異なります。
| 区分 | 普通車 | 軽自動車 |
|---|---|---|
| 一般的な呼び方 | 名義変更 | 名義変更 |
| 正式な手続き名 | 移転登録 | 自動車検査証変更記録申請など |
| 手続き先 | 運輸支局等 | 軽自動車検査協会の事務所等 |
| 岩手県内の窓口 | 岩手運輸支局 | 軽自動車検査協会 岩手事務所 |
| 印鑑の扱い | 実印・印鑑証明書が原則として必要 | 実印・認印とも原則として不要 |
| 譲渡証明書 | 必要 | 原則として不要 |
| 代理申請の書類 | 委任状 | 申請依頼書 |
| ナンバー交換時の封印 | 封印あり | 封印なし |
普通車では、所有権の移転を実印・印鑑証明書・譲渡証明書で確認します。
一方、軽自動車は普通車と異なり、実印や印鑑証明書、譲渡証明書は不要です。軽自動車検査協会で、車検証の記録変更手続きを行います。
普通車(登録自動車)の名義変更で用意する主な書類
普通車の名義変更では、旧所有者と新所有者の双方の書類をそろえる必要があります。
| 書類 | 必要となる方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 車検証(自動車検査証) | - | 電子車検証の場合は自動車検査証記録事項も確認 |
| 譲渡証明書 | 旧所有者 | 旧所有者の実印を押す ※新所有者の押印不要 |
| 印鑑証明書 | 旧所有者・新所有者 | 発行後3か月以内のもの |
| 委任状 | 代理申請で窓口へ行かない人 | 実印を押す |
| 車庫証明 | 新使用者側 | 使用の本拠が変わり、適用地域の場合に必要 |
| ナンバープレート | 管轄変更時 | ナンバー変更がある場合に必要 |
旧所有者の住所や氏名が車検証と印鑑証明書で一致しない場合には、変更の履歴が確認できる書類の提出が必要です。
住所の変遷は住民票の除票や戸籍の附票、氏名の変更は戸籍全部事項証明書などで確認します。
法人の場合は、登記事項証明書などで所在地や名称のつながりを確認します。
譲渡証明書は旧所有者が実印を押す
譲渡証明書は、新所有者へ車を譲ったことを旧所有者が証明する書類です。
譲渡証明書に実印を押すのは、譲渡人である旧所有者です。新所有者の実印を押す書類ではありません。
記載内容では、次の点を確認します。
- 車台番号など、どの車を譲渡するのか
- 旧所有者が誰か
- 新所有者が誰か
- 譲渡日がいつか
- 旧所有者の実印が押されているか
譲渡証明書の記載内容が、車検証や申請書類の内容と合っているかを確認してから手続きを進めます。
委任状は「誰が窓口へ行くか」で変わる
普通車の名義変更では、誰が運輸支局等の窓口へ行くかで、委任状の要否が変わります。
| 申請の形 | 委任状が必要な人 | 実印を押す書類 |
|---|---|---|
| 代理人が申請する | 旧所有者・新所有者など、窓口へ行かない申請当事者 | 委任状 |
| 旧所有者本人が申請する | 新所有者が窓口へ行かない場合は新所有者 | 窓口へ行く本人はOCR申請書 |
| 新所有者本人が申請する | 旧所有者が窓口へ行かない場合は旧所有者 | 窓口へ行く本人はOCR申請書 |
「窓口へ行かない人は委任状」「窓口へ行く本人は申請書」に実印を押す、と考えると整理しやすくなります。
軽自動車の名義変更で用意する主な書類
軽自動車の名義変更では、普通車で必要な実印・印鑑証明書・譲渡証明書は使用しません。認印も不要です。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 車検証 | 原本 |
| 使用者の住所を証する書面 | 住民票の写し、印鑑登録証明書など。発行後3か月以内 |
| 申請依頼書 | 代理人が手続きする場合に使用。押印不要 |
| ナンバープレート | ナンバーが変わる場合 |
| 事業用自動車等連絡書 | 黒ナンバーなど事業用の場合 |
販売店やローン会社などが所有者になっている軽自動車では、名義変更にあたって所有者の同意が必要になります。先に車検証に記載の所有者へ確認してから、手続き窓口に行くようにしましょう。
また、他県ナンバーの軽自動車を岩手県内へ移す名義変更では、元の市区町村で軽自動車税の課税を止める手続き、いわゆる「税止め」も必要になります。税止めを忘れると、翌年度の納税通知が旧所有者にも届いてしまう原因になります。
車庫証明・保管場所届出の違い
名義変更では、車庫証明(保管場所証明)や保管場所届出の要否も確認します。
| 区分 | 普通車 | 軽自動車 |
|---|---|---|
| 手続き名 | 自動車保管場所証明 | 自動車保管場所届出 |
| 位置づけ | 登録時に必要になることがある証明 | 登録後などに必要になることがある届出 |
| 窓口 | 保管場所を管轄する警察署 | 保管場所を管轄する警察署 |
| 注意点 | 使用の本拠が変わる場合に確認 | 地域により届出対象か確認 |
普通車では、使用の本拠の位置が変わり、車庫証明の適用地域にあたる場合、運輸支局等での名義変更の前に、管轄警察署で車庫証明を取得します。
軽自動車では、地域によって保管場所届出が必要です。盛岡市内は、旧玉山村地域を除き、軽自動車の保管場所届出の対象地域です。
POINT
車庫証明(届出)の管轄は、使用の本拠の位置ではなく「保管場所の位置」で決まります。
普通車は出張封印を利用できる場合があります
普通車(登録自動車)でナンバーが変わる場合、通常は車両を運輸支局等へ持ち込み、ナンバープレートを交換したうえで、リアナンバープレートに封印を取り付けてもらいます。
ただし、出張封印を利用できる場合は、車両を運輸支局等へ持ち込まずに、ご自宅・職場・販売店などで行政書士がナンバープレートの取り付けと封印を行うことができます。
県外との売買でナンバーの管轄が変わる場合や、平日に車両を運輸支局へ持ち込む時間が取りにくい場合などに検討できます。

※軽自動車に封印はありません
ローン会社や販売店が所有者の場合
車検証の所有者欄が、ローン会社、信販会社、販売店になっている場合があります。
この場合、実際に車を使っていた方から新所有者へ、そのまま名義変更できるとは限りません。
まず確認する流れは次のとおりです。
車検証の所有者欄を確認する
所有者がローン会社や販売店の場合は、所有権解除の可否を確認する
所有権解除に必要な書類を取得する
普通車または軽自動車の名義変更手続きへ進む
普通車では、所有権解除にあたり、販売店やローン会社から譲渡証明書・委任状・印鑑証明書などが発行されることがあります。
軽自動車では、普通車と書類の考え方が違うため、所有者である販売店やローン会社の案内と、軽自動車検査協会で必要になる書類を確認します。
相続による名義変更は別途確認が必要
相続で車を引き継ぐ場合は、通常の売買や譲渡とは必要書類が変わります。
普通車の相続では、戸籍関係書類、遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書などを確認します。車の査定額が100万円以下の場合は、遺産分割協議成立申立書を使えるケースもあります。
軽自動車の相続でも、戸籍謄本等や法定相続情報一覧図など、相続関係を確認する書類が必要になることがあります。
自分で手続きする場合と行政書士へ依頼する場合
名義変更は、ご自身で手続きすることもできます。
ただし、次のようなケースでは、手続きが複雑になりやすく、ご自身での対応が難しくなることがあります。
- 旧所有者の住所が車検証と印鑑証明書で違う
- ローン会社や販売店の所有権解除がある
- 車庫証明も一緒に必要になる
- ナンバー変更と封印が必要になる
- 平日に運輸支局や警察署へ行く時間が取りにくい
- 相続による名義変更で戸籍関係書類が必要になる
当事務所では、書類確認、車庫証明の取得、運輸支局や軽自動車検査協会での手続き、出張封印までまとめて対応可能です。
費用は、車種、車庫証明の有無、ナンバー変更の有無、出張封印の有無、郵送対応の有無によって変わります。法定費用や報酬額は、申請時点の料金表でご確認ください。
よくあるご質問
普通車の名義変更と移転登録は同じですか?
同じ手続きを指します。一般には名義変更と呼ばれますが、普通車では正式には「移転登録」といいます。
軽自動車でも譲渡証明書は必要ですか?
軽自動車では、普通車の移転登録で使う譲渡証明書は不要です。車検証、使用者の住所を証する書面などを用意します。代理人が窓口で手続きを行う場合は、申請依頼書を用意します。
軽自動車の名義変更に認印は必要ですか?
軽自動車の名義変更では、認印も不要です。普通車のように実印や印鑑証明書をそろえる必要はなく、代理人が手続きする場合の申請依頼書も押印不要の扱いです。
名義変更には車庫証明が必要ですか?
普通車の移転登録では、使用の本拠の位置が変わり、かつ適用地域の場合に車庫証明が必要です。軽自動車では地域や手続き内容により保管場所届出を確認します。
相続による名義変更も同じ手続きですか?
相続による名義変更は、戸籍関係書類や遺産分割に関する書類が必要になりますので、別途確認が必要です。
名義変更をしないとどうなりますか?
普通車の移転登録は、所有者変更から15日以内の申請が義務づけられています。軽自動車も、車検証の記録事項に変更があった日から15日以内に、自動車検査証の変更記録を受ける必要があります。
手続きをしないと、普通車では自動車税、軽自動車では軽自動車税の通知や請求が旧所有者側に残るなどの問題が生じることがあります。売買や譲渡があった場合は、早めに名義変更を進めましょう。
印鑑証明書に有効期限はありますか?
普通車の移転登録で使用する印鑑証明書は、発行後3か月以内のものが必要です。
まとめ

車の名義変更は、車検証上の所有者が変わるときに必要になる手続きです。
普通車は、運輸支局等で「移転登録」を行います。旧所有者・新所有者の印鑑証明書、旧所有者の実印を押した譲渡証明書、委任状などが必要になるため、軽自動車よりも書類が多くなります。
一方、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きを行います。普通車のような譲渡証明書や実印・印鑑証明書は原則として使わず、認印も不要です。代理人が手続きする場合も、委任状ではなく申請依頼書を使います。
また、使用の本拠や保管場所が変わる場合は、普通車では車庫証明、軽自動車では保管場所届出の要否も確認が必要です。ローン会社や販売店が所有者になっている場合、相続で車を引き継ぐ場合は、通常の売買よりも確認書類が増えることがあります。
車の名義変更を進める際は、車種、車検証の所有者、車庫証明・保管場所届出の要否、ナンバー変更の有無を先に確認しておくと、手続きの流れが整理しやすくなります。
岩手県内で普通車・軽自動車の名義変更が必要になった際は、金子行政書士事務所へご相談ください。
全国の自動車販売店様、他県の行政書士事務所様からのご依頼、個人のお客様からのご相談まで、状況に合わせて必要書類と手続きの流れをご案内します。
▼法令はこちら
道路運送車両法第13条
(移転登録)
第十三条 新規登録を受けた自動車(以下「登録自動車」という。)について所有者の変更があつたときは、新所有者は、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う移転登録の申請をしなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の申請を受理したときは、第八条第一号若しくは第四号に該当する場合又は当該自動車に係る自動車検査証が有効なものでない場合を除き、移転登録をしなければならない。
(略)
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)
道路運送車両法第67条
(自動車検査証記録事項の変更及び構造等変更検査)
第六十七条 自動車の使用者は、自動車検査証記録事項について変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、当該変更について、国土交通大臣が行う自動車検査証の変更記録を受けなければならない。ただし、その効力を失つている自動車検査証については、これに変更記録を受けるべき時期は、当該自動車を使用しようとする時とすることができる。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)




